SDL(シンプル ダイレクトメディア レイヤー)はゲームやエミュレータなどマルチメディア関係のソフトウェアを開発する為のグラフィックやサウンド等のAPIを提供するクロスプラットフォーム・ライブラリです。 Linux/Windows/MacOSX/iOS/Android など様々なOS用にリリースされているので、マルチプラットフォームで動作するソフトウェアを簡単に開発することができます。
SDLを使用したエミュレータも数多くリリースされていますので、必ずインストールしておきましょう。SDLライブラリは以下のサイトから入手できます。
【Simple DirectMedia Layer】 http://www.libsdl.org
現在「Source Code」「Runtime Binaries」「Development Libraries」の3つのタイプが用意されています。
・Source Code
SDLアプリケーションを開発するためのファイルです。ソースコードの状態で公開されているのでこのままでは使えず、自分でコンパイルしてインストールする必要があります。
・Runtime Binaries
SDLアプリケーション実行時にロードされるタイプのライブラリです。既にMacOSX用の「フレームワーク」としてコンパイルされているので、起動ディクスの「ライブラリ – Framework」フォルダの中に入れるだけで使用できます。
・Development Libraries
以前はSDLを使用したアプリケーションをXcodeで開発する為のテンプレートになっていましたが、現在はなくなってしまいました。(Runtime Binariesと同じアーカイブにリンクされています)
Runtime Binaries 版のインストール
SDLサイトから SDL2-2.0.3.dmg (Intel 10.5+) をダウンロードしてください。
このパッケージは OSX用のフレームワークが含まれています。ダウンロードしたdmgファイルをダブルクリックしてマウントし、中にある「SDL2.framework」を
<起動ディスク>/ライブラリ/Frameworks/
フォルダの中にコピーしてください。
これでインストールは完了です、SDLフレームワークを利用したアプリケーションが起動できるようになります。
Source Code 版のコンパイルとインストール
Source Code: SDL2-2.0.3.zip をダウンロードしてください。
解凍したらそのフォルダをユーザーのホームフォルダに置きます。ソースのフォルダはどこに置いても構わないのですが、ここがユーザーの最上位ディレクトリになっていてターミナルからのコマンド入力が楽なため、便宜上ホームに置いています。
このSDLはまだソースの状態なのでこのままでは使用することができません、コンパイラを使ってコンパイルする必要があります。
まずは「MacOSXで開発環境を整える」を参考にしてXcodeをインストールしてください。
では実際にコンパイルしてみましょう、まずはユーティリティにある「ターミナル」を起動します。場所は /アプリケーション/ユーティリティ/ターミナル.app
にあります。
ターミナルを起動したら SDL2-2.0.3 フォルダに移動します。「cd SDL2-2.0.3」と入力。
コンピュータ名:~ ユーザー名$ cd SDL2-2.0.3
次に 「configure」を実行してインストール対象となるシステム特有の機能や情報をチェックし、その環境情報を記述したMakefileを作成します。
「./configure」と入力します。
コンピュータ名:SDL2-2.0.3 ユーザー名$ ./configure
作業が終了するまで1分少々掛かります。
configureの後ろに --help
を入力することで、configure 実行時に指定可能なオプションを表示することができます。
コンピュータ名:SDL2-2.0.3 ユーザー名$ ./configure --help
問題がなければコンパイルする為の「Makefile」が完成します。
次に出来上がった「Makefile」を元にコンパイルを実行します。
ターミナルから「make」と入力します。
コンピュータ名:SDL2-2.0.3 ユーザー名$ make
途中でエラーが出なければコンパイル成功です。
最後にコンパイルされたSDLライブラリをMacにインストールします。
ターミナルから「sudo make install」と入力。
コンピュータ名:SDL2-2.0.3 ユーザー名$ sudo make install
sudoコマンドを入力すると Password:
と表示されるので rootユーザーのパスワード を入力してください。
ルートユーザが無効になっている場合は有効にしてください。
参考:Mac OS X で「ルート」ユーザを有効にして使用する
パスワードを入力しエラーなどが出なければインストール成功です。 コンパイルされたファイルが /usr/local/include や /usr/local/lib にコピーされました。
これでSDLのコンパイル&インストールは完了です、SDLライブラリを使用したアプリケーションを実行したりコンパイルできる環境が整いました。
旧バージョン SDL 1.2.15 のコンパイルとインストール
これまでのインストールは最新の SDL2.0 のものでしたが、古いエミュレータなどはまだ SDL1.2 を使用している場合もあります。もし必要な場合は「SDL 1.2.15」のインストールを行ってください。
【Simple DirectMedia Layer – SDL version 1.2.15 (historic)】
http://www.libsdl.org/download-1.2.php
やり方は上記の SDL2.0 のものと同じです。
Runtime Libraries版の SDL-1.2.15.dmg (Intel 10.5+) をダウンロードし、「SDL.framework」を <起動ディスク>/ライブラリ/Frameworks/
フォルダの中にコピーしてください。
Source Code版の SDL-1.2.15.zip をダウンロードして同じように
./configure
make
sudo make install
でコンパイル&インストールしてください。
その他
* SDL1.2.15、OSX10.9上でコンパイルエラー
現在、最新のコンパイラで「SDL1.2.15」がコンパイルできない問題が発生しています。(SDL2.0は問題なし)コンパイルしようとすると「SDL_QuartzVideo.h」と「SDL_x11sym.h」でエラーが発生するようです。
既にフォーラムなどで修正用のパッチファイルが公開されているようですが、公式のファイルにはまだ適用されていないようです。パッチファイルを探すのが面倒だという人の為に、このエラーを修正したファイルを用意しましたので該当するファイルと入れ替えてコンパイルしてください。
・SDL1.2.15_patchfile.zip
*コンパイル時にエラーが出ない場合はこのファイルは必要ありません。
* x86_64(64bit)とi386(32bit)アーキテクチャでコンパイル
i386(32bit)アーキテクチャのSDLライブラリが必要な場合は、コンフィグ時に以下のオプションを指定します
./configure "CFLAGS=-arch x86_64 -arch i386" "LDFLAGS=-arch x86_64 -arch i386"
これで make すれば x86_64 と i386 アーキテクチャのUniversalバイナリでコンパイルできます。